■馬耳当風■2歳戦始まる

■2歳戦始まる [09/06/24]
6月20日、地方競馬に続き、中央競馬でも2歳戦が始まった。阪神、福島、札幌の3競馬場で07年生まれのサラブレッドがデビューした。20日と21日の2日間で合計6つの新馬戦が行われ、合わせて64頭が出走した。
21日の阪神で勝ち名乗りをあげたのは急死したアグネスタキオンを父に持つダノンパッション(牡=おす=、栗東・池江泰郎厩舎=きゅうしゃ)だった。途中で前がつっかえるような場面もあったが、最後の直線で馬群を割って出てきた末脚はなかなか力強かった。
手綱を取った武豊騎手も「将来性を感じさせた」と手応えを感じたようだ。ダノンパッションが1・2倍という圧倒的な1番人気に支持されたのは、その血統の魅力が理由だ。父は昨年のリーディング種牡馬(しゅぼば)で、母スターズインハーアイズはあのディープインパクトの姉だ。ディープインパクトと同じ池江泰郎厩舎ということも手伝って、注目を集めた。
20日の札幌ではコスモソルスティス(牡、栗東・中尾秀正厩舎)が快勝した。同馬の父はアドマイヤマックス。GIレースの高松宮記念を制するなど短距離でのスピードを生かしてきた。ことしの2歳馬が初年度産駒となる「種牡馬1年生」だ。07年に誕生した54頭の産駒(さんく)の出走馬第1号だったコスモソルスティスが勝ち馬第1号ともなり、幸先のよいスタートを切った。
アドマイヤマックスのように今年初年度産駒を送り込む種牡馬1年生は計38頭。中でもっとも産駒数の多い人気種牡馬はゼンノロブロイだ。216頭に種付けし、125頭の2世が生まれた。
現役時代のゼンノロブロイは4歳秋(04年)に素晴らしい成績を残した。天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念とGIレース3連勝。それまで00年にテイエムオペラオーしか達成していなかった秋のGI完全制覇を果たした。 115頭もの産駒がいるロージズインメイも人気が高い。米国産の同馬は5歳時の05年、世界最高賞金のドバイ・ワールドカップで優勝した。
ジャパンカップ優勝の2頭アルカセット(117頭)とタップダンスシチー(114頭)も数多くの産駒を送り出す。アルカセットは欧州で現役生活を送ったが、05年のジャパンカップでは2分22秒1(芝2400メートル)という中央競馬のレコードタイムで優勝し、日本の速いタイムの出るコースにも対応できることを示した。タップダンスシチーは8歳まで元気に走った頑強な体質、2000メートル前後の中距離での先行力が買われた。
惜しくも急死したアグネスタキオンをはじめとする既成勢力に新興勢力が挑む種牡馬戦線。2歳戦の見どころのひとつだ。
筆者プロフィール

有吉 正徳(ありよし・まさのり)
スポーツ紙で競馬担当を10年務めた後、
92年に朝日新聞入社。福岡県出身。
03年4月から毎週金曜日の夕刊スポーツ面に
コラム「有吉正徳の競馬ウイークリー」を
執筆している。思い出の馬は駆け出しの
ころに活躍していた天皇賞馬モンテプリンス。
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