■「海外ネットオークションはすごいことになっている」 (荒俣 宏編集委員)
■「海外ネットオークションはすごいことになっている」 (荒俣 宏編集委員)
プロフィール 荒俣 宏 (あらまた・ひろし) 1947年生まれ。慶応大法学部卒。博物学者であり、小説家・翻訳家。「世界大博物図鑑 第2巻 魚類」でサントリー学芸賞。ビブロマニア(書籍蒐集マニア)としても有名。ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」の解説を務めた。 このところの急激な円高傾向を活用すべく、わたしも海外の美術・骨董や古書のオークションに参加することが多くなった。海外オークションには、もう25年ちかくも参加しているが、サザビーズやクリスティーズなどの有名オークションハウスか、あるいは日本国内の主催ものに限られていた。ところが、最近はインターネットを使用して、海外の小規模なオークションにも、気軽に参加できるようになった。こういうところでは、意外に掘り出し物をゲットできる可能性があるのだ。
わたしがここのところ熱中しているオークションサイトは、イギリスで古書を扱う「ブルームスベリ・オークションBloomsbury auctions」と、アメリカでコミックの原画や挿絵のオリジナルを出品する「ヘリテージ・オークションHeritage auctions」だ。最近、ブルームスベリでは、刊行までに2百年以上かかった、キャプテン・クック第1次航海「バンクス植物図鑑」を、かなり安く落札できた。さらにスリリングだったのは、「ヘリテージ」で、なんと、アメリカで行われている競り会場の現場にネットで参加できてしまうのだ。出品される一点一点ごとに対し、刻々と上がっていく入札金額が表示される。そして、競売人のメッセージ「さぁ、締め切りますよ」や「入札してください、今500ドルですよ!」といった言葉も表示される。それに押されて、思わず、ビッド(入札)のボタンを押してしまう。まさに、ライブである。ディズニーのアニメ用原画セルなどを狙うが、さすがに高値で、まだ落札できていない。それにしても、遠くアメリカで現に行われているオークションに、日本にいながら参加できる時代となったことが、おそろしい。当分、一睡もせずに深夜のビッドがつづくことになりそうだ。
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